2013年4月に開発途上国における復興支援にかかるプロジェクトに積極的に取り組む方針を打ち出し、新たに平和構築部を新設致しました。
  弊社は、2008年より主にアフリカの紛争影響地域・国の農村地域において、復興から開発に向かうための支援のためのプロジェクトを実施してきています。そこでは、その地域の復興・開発計画の策定とそれを通じた行政官を始めとする地域開発を担う人々の能力向上や体制の整備を行っています。また、緊急的に必要なインフラ施設の整備も同時に実施しています。
 分野の課題・キーワード
□ 紛争防止  □ コミュニティ開発  □ 社会調査  □ 経済調査
□ 住民組織化  □ 研修事業  □ 環境社会配慮

  主な実施案件
社会調査・住民組織化
コミュニティ開発
バ・コンゴ州カタラクト県コミュニティ開発計画策定調査
(コンゴ共和国)
 長年の紛争の影響を受けたコンゴ民主共和国では、経済活動が停滞していたことに加え、90年代にアンゴラから流入した難民と地元住民の和解・共存が緊急の課題となっていました。対象地域の人々の生活改善と難民を抱える地域の負荷の軽減のためのコミュニティ開発計画を策定しました。

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ワークショップの様子
社員から:これは当社が平和構築に関わる原点ともなった案件で、10人以上の社員が派遣された大きなプロジェクトでした。良かれと思った支援もニーズに合わなければ意味がありません。私たちは20以上の村で何が求められているかを調べた上で支援を行い、アンゴラ難民でもそれ以外の方々でも一切区別することのないよう心がけました。これは開発においては公平であることは不可欠だからです。また、紛争影響地域ではガバナンスが弱い事が多いので、それを補う意味でも私たちが改修した道路を維持する役目を住民組織に委ね、彼らの能力向上に資するようにしました。

コミュニティ開発・難民支援 アムル県国内避難民帰還促進のためのコミュニティ開発計画策定支援プロジェクト(ウガンダ共和国)
 20年以上紛争状態にあったウガンダ北部地域では南部に比べ開発が遅れ、200万人ともいわれる国内避難民が生じ、当地の行政も機能していませんでした。2006年より武装勢力とウガンダ政府間の和平交渉が始まり、治安は改善されたものの、人々が避難民キャンプを離れ元いた村で生活するには多くの課題がありました。そのため国内避難民の帰還・定住を促進するためのコミュニティ開発計画とガイドラインを策定しました。
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整備された簡易水道設備
社員から:これは15人余りの社員を派遣した大きな案件でした。元の土地を離れキャンプで暮らしていた避難民の方々。それがあまりに長く、キャンプが生活拠点になっていました。この案件はキャンプからの帰還と故郷での生活再建を支援するために行われました。それにあたって紛争で夫を亡くした寡婦や障害者、元戦闘員などの社会的弱者と言われる人々の状況に配慮しつつ、紛争のためにぐちゃぐちゃになってしまった土地の所有権問題に対応する必要もありました。キャンプ撤去の際には、傍に埋められた故人のお墓が掘り起こされましたが、故人が安心して元の村に帰れるよう、ヤギを生贄に伝統的な儀式を行いました。外から来た人間としてこういった現地の文化を尊重することは現地の人々と協力していく上でとても大切です。

研修事業・コミュニティ開発 ギテガ県における紛争影響地域の生活向上を目的とした
コミュニティ開発(ブルンジ共和国)

 紛争の影響を強く受けたギテガ県の3地域について、その開発計画の実施の支援及び実施のための体制強化に対する支援に加えて、生計向上・農業生産性向上を通じたコミュニティ再生のためのパイロット事業を行うことを決定しました。また、行政官や技術官の能力向上にも併せて取り組みました。

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ブルンジ国内研修の様子
社員から:この案件には10人以上の社員が投入されました。傷付いた3地域の復興のため、既存の計画の中でも緊急の案件をパイロット事業として行ったのですが、その数が20本以上と多かったので、現地人スタッフと密に協力するよう努めました。ただ、これらの事業が進むにつれ、マネジメント体制の綻びが露わになり、その修正に追われた点は、今後に活かすべき反省点だと思います。このプロジェクトでは、元戦闘員、寡婦、孤児や国内避難民などを可能な限り巻き込んで、不公平感がないように配慮もしていました。

インフラ整備・研修事業 ガンビア県地域開発能力向上プロジェクト(シエラレオネ国)
 2002年の内戦が終結してもなおシエラレオネは地方行政職員の人員・能力不足から行政サービスが適切に行われない状況がありました。私たちはカンビア県地域開発能力向上プロジェクトの中でも、地方道路の改修・維持管理をモデル事業として技術移転を行いました。このプロジェクトを通じて、行政職員のサービス実施能力の向上を図りました。

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現地での施工管理
社員から:他の案件同様、地域の伝統への配慮を心がけていました。対象地域にはchiefdomという伝統的な行政単位があり、特にそのトップと信頼関係を築くことは大事でした。紛争から10年以上経ってはいましたが、インフラは十分に整っておらず、行政能力も高くありませんでした。そもそも行政官の数も不足していました。紛争でごっそり抜け落ちた世代があったようです。ですので、彼らの能力(キャパシティ)を個々の経験を踏まえて事前に把握し、彼らの能力に合わせて技術を伝えていくようにしています。それが彼らの能力向上になると考えています。

環境社会配慮・経済社会調査・インフラ整備 ミンダナオ紛争影響地域におけるコミュニティ開発計画準備調査
(フィリピン共和国)
 南西部・中部ミンダナオ地域は、40年以上に及ぶ紛争の影響でフィリピン国内でも貧困率が高く、インフラの老朽化といった課題も抱えていました。このプロジェクトでは対象3地域の農道の整備改修を通して農産物の流通改善と地域の人々の雇用の場を作ることで彼らの収入が向上し、紛争が再発しないようにすることを目的としていました。

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農道の改修予定地
社員から:この案件では私たちは散発的な武力衝突が続く地域で活動しています。実際治安の悪化で現地業務が中断され緊急帰国せざるを得なくなったこともありました。2014年3月に政府と武装勢力間で和平合意が結ばれたもののプロジェクト時はまだDDR(武装解除・動員解除・社会復帰)も済んでおらず、宗教間・氏族間の紛争の火種もありました。ですから紛争予防配慮の観点からの調査が不可欠でした。この案件でも、現地人スタッフのマネジメントに腐心しながらも協力しあっています。