平和構築・復興支援

  • レバノン国 ホストコミュニティ支援・地方機関能力強化のための情報収集・確認調査(2017年~2018年)

事業の背景

 レバノンの首都はベイルート。中東のパリと呼ばれ、古くから商業・交易の中心として栄えてきました。政治は歴史的にイスラム/キリスト教の18の公認宗派のバランスをとる必要があり、また、1975年から15年にわたった内戦やイスラエルとの外交的緊張関係、国内に42万人いるパレスチナ難民の影響などを受けています。これらの政治的不安定や経済・社会開発の遅れによる地域間格差や所得格差が起こり、それに加えて、2011年からのシリア危機以降、100万人を超えるシリア難民がレバノン国内に流入し、その数はレバノン人約400万人の約4分の1を超えています。レバノン政府は、シリア難民に対して公式にキャンプ建設を許可しておらず、ほとんどのシリア難民は合法にも違法にもレバノンコミュニティに居住しています。その存在はホストコミュニティの社会・公共サービスに大きな影響を与えており、コミュニティでの両者間の緊張を高めています。
 そのような状況の中、レバノンホストコミュニティ支援として特に影響を受けているインフラの中でも上水と、生計向上分野について、社会問題省、エネルギー・水省と水公社や地方自治体の支援を行うための調査を行っています。

事業の内容

 この調査の中で、まず、シリア危機下のレバノンの一般概況や、難民、それを受け入れている地方自治体、担当する省庁の役割等を確認しました。また、上水道や生計向上分野では、上水道の施設の改修や成形向上に係る研修を住民相手に行い、少しでもレバノンコミュニティやそこに住む難民の生活改善に寄与することを目的としました。
 特に上水道は、給水ネットワークは整備されているものの、もともと地方では2週に1-2回程度しか配水されていないような状況で、急激な人口増がさらに影響を与えています。生計向上は、シリア人はレバノンの法律では、建設業、廃棄物処理、農業にしか従事できないこととなっていますが、生活の困窮から違法にもサービス業等にも進出し、それがレバノン人との争いの原因ともなっています。このような状況の中、プロジェクトを実施することが新たな紛争を及ばないように、紛争予防配慮のための調査も実施しています。
 その他、シリア危機下で、様々なドナーや国際機関も支援しており、情報共有をしながら、支援の重複を避けるようにしています。